かくのごとく、我思えり

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【高校日本史】「氏姓制度」を基本から分かりやすく解説します!

 

はじめに

 

氏姓制度は高校日本史で初めて出てくる国家支配の仕組みです。中学の歴史の授業では出てこない制度なので、「氏姓制度ってどんな仕組みなのかよく分からない…」という人も多いと思います。

 

しかし、これから紹介する2つのことを意識すれば、氏姓制度はぐっと理解しやすくなります。この記事をきっかけに、氏姓制度への理解が深まったら幸いです。

 

 

これさえ意識すれば理解できる!

 

まず、氏姓制度を理解するうえで

 

氏・姓…支配者(豪族)

部…被支配者(庶民)

 

というイメージを持つと分かりやすいです。つまり、氏とか姓は支配者である豪族についての話ですし、逆に品部や部曲のような「部」という字が使われる用語は被支配者を指します。

 

もう一つ意識してほしいのが、氏姓制度の統治体制をおおざっぱに図式化すると、以下のようになるということです。

 

大王―――豪族―――部民

 

部民とは、品部のような「~部」と呼ばれた人たちのことです。要するに一般庶民ですね。氏姓制度では、大王が豪族を間にはさんで人々を統治しようとしました

 

これは、大化の改新以降に目指された統治体制と比較すると分かりやすいです。大化の改新以降、「公地公民」を掲げて国家の変革が行われたことは中学校で習ったと思います。公地公民とは、土地と人民を天皇が直接支配することですよね。つまり、図式化すると以下のようになります。天皇と人民の間に豪族は入りません。

 

〈大化の改新以後〉 天皇―――人民・土地

 

それと比較すると、氏姓制度では大王は豪族を通して人民を間接的に支配していたことが分かります。また、公地公民と異なり、土地や人民の私的所有を認めていたことも特徴的ですね。

 

 

氏・姓とは?

 

では、この二つをふまえて氏姓制度について説明します。まずは、氏・姓についての説明です。

 

教科書的に言えば、氏(うじ)とは「血縁やその他の政治的関係をもとに構成された」*1組織です。論述問題ではこの定義を書いた方がいいでしょうが、まどろっこしくて理解しづらいですよね。とりあえずは「氏=人の集団」という理解でいいと思います。

 

姓(カバネ)は「ヤマト政権での豪族の地位を表す称号」*2です。肩書きと言ってもいいでしょう。「姓=称号・肩書き」です。姓には臣・連・君・直・造などがあります。

 

姓は氏に対して与えられるものです。例えば、「『蘇我』という氏」に対しては「『臣』という姓」が与えられましたし、「『物部』という氏」に対しては「『連』という姓」が与えられました。

 

蘇我(氏)←臣(姓)

物部(氏)←連(姓)

 

ここで思い出してほしいのが、氏・姓は支配集団に関する言葉だということです。このことから、姓である臣・連・造といった文字の入った用語は支配者層を指すことが分かります。つまり、後に出てくる国や伴は支配者であるということです。

 

 

氏姓制度における政治制度

 

冒頭で、氏姓制度下の統治体制は「大王―――豪族―――部民」であると述べました。これをもう少し分解すると、次のようになります。豪族は赤、部民は青で表記します。

 

            伴造―――品部 (中央)

          /

大王―――大臣・大連

                        \

            国造―――部曲 (地方)

 

 

大臣・大連は中央の有力豪族です。国政の中枢を担っていた人々で、支配者層のなかでも上位に位置しました。

 

伴造(とものみやつこ)は国政で特定の仕事を担当しました。例えば、「軍事・財政・祭祀・外交や文書行政」*3などです。そして、伴造を支えていた人々が品部です。「造」という字が使われている伴造は支配者、「部」という字が使われている品部は被支配者ですね。

 

そして、地方豪族は国造に任じられました。ヤマト政権からその地方の支配権を保証されたわけですね。そして、国造の私有民が部曲です。国が支配者、曲が被支配者となっています。

 

また、これらとは別にヤマト政権の直轄領・直轄民も存在しました。ヤマト政権の直轄領を屯倉、直轄民を子代・名代と言います。子代・名代は部民の一種です。ここでも「部=被支配者」という図式が成り立ちますね。

 

 

最後に

 

以上、氏姓制度についてまとめてみました。氏姓制度は、高校日本史の勉強を始めた人の多くが最初に混乱する箇所だと思います。また、定期試験でもよく問題になるところです。確実に理解しましょう!

*1:『詳説日本史』山川出版社, 2016年, p.32

*2:出典:氏姓制度のしくみがわかりません|地歴公民|苦手解決Q&A|進研ゼミ高校講座|ベネッセコーポレーション

*3:『詳説日本史』山川出版社, 2016年, p.33