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京大の入試解答例・出題意図の分析【数学】

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はじめに

 

先般京都大学が平成31年度入試の出題意図を公表しました。この記事では文系数学の出題意図について考察していきます。

 

www.kyoto-u.ac.jp

 

 

全体的な出題意図

 

京都大学は出題意図の冒頭で、数学の入試の出題方針や注意すべきことを説明しています。この「全体的な出題意図」の部分は、文系も理系もまったく同じ文章です。つまり、数学の問題を解くうえで注意すべき基本的なことは文系も理系も同じなのでしょう

 

まず気になったのが、「論証問題はもちろんのこと、値を求める『求値問題』でも答えに至る論理的な道筋も計れるように出題しています」という文言です。実際に僕が京都大学の入試を受けたときも、答えに至る道筋を京大が重視しているのを実感しました。

 

僕が入試を受けたとき、完答したと思っていた2つの大問で計算ミスをしていました。そのうちの1つの大問は2つの小問に分かれていて、1問目で出た値を利用して2問目を解くという形式の問題でした。ですが、1問目の答えで計算ミスをしたため2問目の答えもずれるという悲劇…。

 

しかし結果として、その2つの大問は9割得点できていました。つまり、計算ミスで1割点数を引かれたものの、考え方は合っていたため大方の得点を獲得することができたのです。このことからも、京大数学は答えに至る過程を重視していることが分かるのではないでしょうか。

 

また、「証明や論理的な道筋の説明については、必要条件や十分条件に配慮した適切な表現で解答されているかどうかを見るように、出題の形式や問い方を工夫しています」とあります。ここから、京大が必要条件・十分条件を重視していることがうかがえます

 

確かに、必要条件・十分条件は、論理的に思考するうえで不可欠なもので、数学に限らず様々な学問で意識する必要があります。実際、僕が法律の勉強をする際、数式を見ることはありませんが、必要条件・十分条件という言葉はたまに見かけることがあり、その考え方が役立っています。

 

当たり前ですが、京大は必要条件・十分条件以外にも論理力を重視しています。大問3で命題のなかの「すべて」と「ある」を意識させる問題を出したのもその証拠でしょう。

 

そして、全体の出題意図の最後に、「答案を作成する上で、問題文に記載された注意事項を熟読していないと思われるものがあったことを注意喚起しておきます」とありました。「問題文に記載された注意事項」というのは、おそらく問題冊子の表紙に記載されている注意書きのことでしょう。

 

注意書きのなかで、特に注意すべきなのは計算用ページへの解答の続け方と解答欄以外の扱いでしょうか。

 

前者についてですが、注意事項の5にあるように、解答用ページだけではスペースが不十分なときは、見開きに隣接する計算用ページに解答の続きを書くことができます。ただしその場合は、解答が計算用ページに続いていることをはっきり示さないといけません。この示し方が不適切な受験生がいたのではないでしょうか。

 

次に、解答欄以外の扱いについてです。注意事項の4では、表紙に学部名・受験番号・氏名以外は書かないように指示しています。また、6,7で、余白ページは下書き・計算に使うことはできるものの、採点の対象にはしないと書かれています。また、7では、解答に関係のないことを書いた答案は無効にすることがあるとなっています。当たり前のことが多いですが、これらの注意を守っていない答案があったのかもしれません。

 

注意事項は年によって変わることがあります。例えば、今年度の入試は常用対数表を用いる問題があったため、常用対数表に関する注意事項が加わりました。入試本番では、問題冊子が配られてから試験が始まるまでにだいぶ時間があるため、注意事項はしっかり読んでおきましょう

 

 

個別の出題意図

 

京大は、以上のような全体的な出題意図を示したあとで、各問をどのような観点から出題したかについても示しました。もっとも、どの問題についても一・二行しか書かれておらず、非常にあっさりしたものです。このくらいのことは赤本等の解説を見れば分かることであり、わざわざ提示する必要はない気もしますね(笑)。

 

また、各問の出題意図のなかに「基礎事項の理解を問うた」という文言が三回出てきます。それが、大問1の問1・2と大問5です。しかし、駿台の分析によると大問1の問い2はやや難(())、河合塾の分析によると大問5はやや難であり、基礎事項を問う問題だからといって簡単だとは限らないようです