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【京大vs.一橋大】現役京大生が全教科の入試問題を徹底比較!

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はじめに

 

京都大学と一橋大学は入試難易度的にはほぼ同レベルなだけに、どちらを受験するか悩んでいる人も多いと思います。受験校を一つに決める際、学ぶ内容、学風、就職実績など様々な観点から選ぶことができますが、僕がおすすめしたいのが入試問題をチェックしてみることです。

 

同じ偏差値であっても、大学によって入試問題はかなり異なります。どうせ同じレベルの大学を受けるなら、自分が得意な問題が入試に多く含まれている大学の方が合格可能性が上がると思いませんか? そこで今回は、教科ごとに京都大学と一橋大学の入試問題を比較していきます。

 

 

英語

 

京大の英語の問題は長文読解と和文英訳・英作文しかなく、とてもシンプルです。全4つの大問のうち、最初の2つは長文読解で後の2つは和文英訳・英作文となっています。得点比率で言えば、150点満点のうち100点が長文読解、50点が和文英訳・英作文と、長文読解が高い割合を占めています。時間の余裕は十分あり、腰を据えて問題を解くことができます。

 

長文読解は和訳の問題が中心です。近年、京大でも内容説明や空欄補充の問題が出題されるようになりましたが、和訳の能力が最も重要なことには変わりありません。

 

一方、和文英訳・英作文の問題はここ数年でかなり問題が変わっています。京大は長い間、和文英訳の問題しか出題しませんでした。以下のようなこなれた日本語を英語に訳す問題です。

 

生兵法は大怪我のもとというが,現代のように個人が簡単に発信できる時代には,とくに注意しなければならない。聞きかじった知識を,さも自分で考えたかのように披露すると,後で必ず痛い目にあう。専門家とて油断は禁物,専門外では素人であることを忘れがちだ。さまざまな情報がすぐに手に入る世の中だからこそ,確かな知識を身に付けることの重要性を見直すことが大切である。 (2017年、大問3)

 

しかし最近は英作文に近い問題も出題されるようになりました。例えば2018年には、先生と生徒の会話の一部が空欄になっており、会話の流れに即して適切な英文を書くという問題が出題されました。

 

一方、一橋英語には長文読解、文法問題、英作文、リスニングの問題があり、京大よりもバラエティに富んでいます。リスニングが出題されるのは一橋大の大きな特徴と言えます。

 

長文読解に関しては、まず一橋大の方が文章量が少し多いです。*1また、問題の内容も和訳よりも内容説明や空欄補充に重点を置いています。特に内容説明は問われていることにかなり少ない文字数で答えなければならないため、難易度は高いです。京大の問題以上に文章の深い理解が求められます。

 

英作文は簡潔なテーマが与えられ、それについて100語強で論じる問題が出されます。京大とは異なり和文英訳は出題されません。2018年は、ニュースの見出しが与えられ、見出しにあったニュースの記事を考えて書くという面白い問題が出されました。

 

~まとめ~

全体的に見て、京大の問題の方が解きやすいです。そのため、英語が苦手な人は京大の方が点を取りやすいと思います。リスニングが苦手な人も京大の方がいいでしょう。

 

一方、難しい問題も解けるので英語で差をつけたいと思う人は一橋大の方がいいです。一橋大ではハイレベルな問題が多く出題されますが、それを解けることができれば合格にぐっと近づきます。

 

また、和文英訳・英作文の問題も二校の間で大きく異なります。あらかじめ文章が与えられ、それに合った英語を書く方が得意なら京大が、テーマしか与えられない自由度の高い英作文の方が得意なら一橋大を受けた方が有利です。*2

 

 

数学

 

はっきり言って、数学は二校の間に差はあまりありません。5つの大問が出され、試験時間が120分というのはなんと二校ともまったく同じです。問題内容もあまり変わらないと言ってよいでしょう。

 

かつて、京大は小問を出さず、一つの問題を自力で解答しきる力を試していると言われていました。しかし2018年は、小問のない問題は5問中3問しかありません。一橋大は小問のある問題を出すので、その点からいっても二校の差はあまりないと言えます。

 

~まとめ~

数学の問題に関しては、京大と一橋大の間に差はあまりない。

 

 

国語

 

国語の問題は京大と一橋大とで面白いくらいに異なります

 

京大の問題は現代文2問、古文1問から構成されています。現代文は1つの大問につきだいたい5つくらいの小問があります。一つの小問は100字前後という多めの文字数で答えるようになっています。漢字の問題は数年に一度出題されます。

 

古文は現代語訳と傍線部分の説明が中心となっています。古文の文章量はそれほど長くはなく、センター古文の半分以下です。近年では、5つの小問のうち漢文の問題が1問出題されるようになりました。*3

 

一方、一橋大の国語の問題は相当ユニークです。

 

一つ目の特徴は古文の代わりに近代文語文が出題されることです。*4近代文語文とは、明治以降に書かれた古文・漢文調の文章のことです。森鴎外の『舞姫』が近代文語文として有名です。古文・漢文の力は要りますが、普通の古文・漢文を読むのとは少し違います。そのため、一橋大を受けようと思ったら近代文語文に特化した勉強が必要でしょう。

 

そして一橋国語の最大の特徴は要約の問題が出題されることです。3つの大問のうち1つはまるまる要約の問題です。現代文を200字で要約することが求められます。一橋大を受ける人は要約の練習が必要不可欠と言えるでしょう。

 

~まとめ~

国語が得意な人は京大を受けるのがおすすめです。京大はオーソドックスな問題が多く出題されるため、国語が得意な人は自らの国語力を存分に発揮できます。

 

一方、国語が苦手な人には一橋大がおすすめです。普通の国語の問題は苦手でも、普通の国語の問題とは一風変わった一橋大の問題は解けるという人もいるかもしれません。また、一橋大は国語の配点が低いので、国語が苦手でも他の教科でカバーすることができます

 

 

地歴公民

 

僕が日本史受験だったため、主に日本史の話をします。ご了承ください。

 

京大の問題は、国立大の入試にしては一問一答形式の問題が多いです。例えば日本史の場合、100点満点のうち70点分が一問一答形式の問題です。一問一答形式の問題は、なかには難易度の高い問題もあります。ですがセンターレベルの知識があれば解ける問題も多くあります。

 

また、論述問題1つあたりの字数が多いのも特徴です。日本史の場合は200字の論述が2題出されますが、これより長い論述問題を出す大学はほとんどありません。内容としては歴史上の出来事の推移や特徴などが問われます。資料問題や発想力が必要な問題はありません。

 

一方、一橋大の地歴公民はレベルが非常に高いことで有名です。特に世界史は大学レベルに足を踏み入れていると言われるほどの難易度です。

 

日本史に関して言えば出題傾向に偏りがあり、近代以降の問題が極端に多いです。全範囲をまんべんなく出題する京大との大きな違いでしょう。実学重視という一橋大の学風を反映した問題だと言えます。

 

一橋大の日本史はほぼすべて論述問題です。一橋日本史の面白さは、一問あたりの字数が指定されていないことです。大問1つにつき400字というのは決まっているのですが、3つか4つある小問のうち、どれをどのくらいの文字数で書くかは受験生に委ねられています。そのため、極端な話、小問1を300字で書き、小問2と3を50字ずつ書くということも可能です。なかなか癖のある問題なので、過去問を解いてこの形式に慣れることは必要不可欠でしょう。

 

また、一橋大の地歴公民の大きな特徴は、選べる科目数の多さです。京大は日本史・世界史・地理しか選べません。他方で、一橋大は日本史・世界史・地理のほか、倫理政経、さらにはビジネス基礎なんてものも選べます。受験当日に問題を見て選択科目を変えるという荒業も可能です。

 

~まとめ~

京都大の問題は一問一答形式の問題がかなり多いです。そのため、私大を併願しているなどの理由で一問一答形式の問題に得意な人は京都大の方が向いていると言えます。

 

一方、一橋大の問題はかなり癖があります。例えば日本史の場合は、近代以降に強ければ一橋大がいいかもしれません。また、倫理政経で受験したいという場合は一橋大を受験することになります

 

 

最後に

 

以上、京大と一橋大の入試の特徴を比較しました。まとめてみると、京大はオーソドックスな問題が、一橋大はユニークな問題が多いように感じます。別の観点から見ると、京大はアカデミック、一橋大は実用的ともいえます。もっと詳しい情報が欲しいという方は、それぞれの大学の過去問を実際に見て見ることをおすすめします。

 

京大・一橋大に関しては以下の記事も書いているので、そちらもご一読ください。

www.a-man-feels.com

*1:とはいえ、早稲田や慶應といった難関私大と比べれば取り組みやすい長さです

*2:ただし、京大はここ数年で和文英訳・英作文の問題形式を大きく変えているので、注意が必要です

*3:とはいえ、それほど難しくないのでセンター国語の勉強をしていれば十分対処できます。

*4:通常の古文や現古融合の問題も数年に一度出題されます