かくのごとく、我思えり

京大生が、本の感想や勉強のことを書いていきます。

読書感想文『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神/マックス・ヴェーバー/岩波文庫

 

こんばんは、京大生ブロガーの工藤冬樹です。

今日はマックス・ヴェーバーに代表作である『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の感想を書いていきたいと思います。

 

そもそもプロテスタンティズムとは何でしょうか。簡単に言えば、宗教革命のときにカトリックに抗議した人々によって成立した宗派です。カルビニズムやピューリタニズムがその代表例です。それではカルバンの思想はどのようなものでしょうか。高校の倫理では次のようなことを習います。

 

〇予定説:救われる者とそうでない者は予め決定されている

     ‣禁欲的・勤勉な生活→救いへの確信

〇職業召命説:職業は神に与えられた使命

       ∴すべての職業は等価値、利潤は神による恵み

(改訂第2版 センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本)

 ヴェーバーはこの本のなかで、予定説が資本主義の形成に与えた心理的影響を重視します。救われる者は決まっているといわれてもやはり自分は救われる人間だという確信は得たいですよね。そこで持ち出されるのが職業召命説です。つまり、神から与えられた使命である自らの職業を真面目にこなすことで救いの確信を得ようとしたのです。ここでついに利潤を得ることが肯定されました。すなわち、職業活動の結果として豊かになることは神の栄光をたたえることと捉えられるようになったのです。その結果、神の栄光の象徴である利潤をさらに増やすために、今まで儲けたお金を事業に投下することになりました。そうして資本主義が発展していったのです。しかし現代はどうでしょうか。いまや資本主義経済は化け物のように巨大化してしまい、誰もコントロールすることができなくなっています。また、今の日本を見てもわかるように救いの確信を得るという宗教的な目標がなくても、生きていくためには働いて利潤を得なくてはならなくなったのです。

 

要約としてはこんな感じでしょうか。読む前は2割くらいしか理解できないかもしれないと思っていましたが、5割くらいは理解できたような気がします。もちろん細かい宗教の話なんかは全く分かりませんが。高校時代に勉強した倫理や世界史が役に立ったような気がします。この二つは大学で学問をする上でかなり重要なように思えるので高校生の皆さんはしっかり勉強してください(といっても世界史に関しては僕も不勉強なのですが)。あと高校時代に現代文の授業で読んだ『サッカーにおける「資本主義の精神」』という評論もプロ倫の理解の助けとなりました。東京書籍の現代文Bの教科書に載っているのでぜひ読んでみてください。

 

本の感想としては、働く理由として昔のプロテスタントは生活のためという理由だけでなく救いの確信を得るためという観念的な理由もあったのに、その人たちが資本主義を発展させた結果、現代の私たちのなかにただ生活のためだけに働かなければならない人がいるというところに悲しさを感じます。やはり生活のためという理由だけではつらいので何か別の理由があるのが理想的ですよね。それはなかなか難しいですが、頑張ってもう一つの理由を見つけることが大切だと思います。